アオリイカの釣り方として代表的なヤエン釣りにスポットをあててみた。
アタリも多いがバラシも多い、ハラハラドキドキの釣りだ!だからこそヤエン釣りはおもしろい。
掛けバリを付けずにアジを泳がせ、抱きついたアオリイカをゆっくり引き寄せる。
間合いを詰めたらヤエンを投入。
針の無い状態でのやり取りも、寄せたあとの掛けバリ(ヤエン)投入もわずかな油断がバラシに直結する。
アオリイカの釣り方のひとつであるヤエン釣りの適した竿やリールおよび仕掛けと釣り場のポイントやアジの泳がせ方などヤエン釣りの醍醐味を紹介していきます。
アオリイカの釣り方である春の良型狙いに最適のヤエン釣り
生きアジを道糸の先にくくりつけ、アオリイカの目の前に泳がせる。
アオリイカは疑うことなく大好物のアジに抱きつき、むさぼるように食べ始めるわけだが、実はこのエサにはハリは付いていない。
アオリイカの頭の中が食べることでいっぱいになった段階で初めて寄せにかかるわけだが、こうなるとアオリイカは引っ張られてもアジを放さない。
それから、ころ合いを見計らって”ヤエン”と呼ばれる掛けバリを道糸に伝わせて落とし込む。
ヤエンはエサのアジの所まで滑り落ち、掛けバリがハネ上がってアオリイカを掛ける仕組みになっている。
この、ハリのない状態でアオリイカを寄せてくる時のハラハラドキドキ感、そしてヤエンを落とし込み、ハリ掛かりさせてからの緊張感、取り込みが成功した時の充足感が何といってもヤエン釣りの醍醐味だろう。
また、アタリが多い割には取り込み率が低い点もヤエン釣り師をさらに燃え上がらせる。
ヤエン釣りの最適な時期
ヤエン釣りは本来、3~6月の乗っ込み期の大型を狙う釣りとして発展してきたが、晩秋にサイズアップする秋イカを狙うことも可能である。
春の大型狙いはポイントが限られるが、秋の数釣りシーズンはポイントが広範囲となるのが嬉しい。
時合は、朝・夕マヅメと半夜だが、基本的には24時間時合である。
日中に数多くのアタリを見ることができるのも、生きアジを最も自然に泳がせる釣りであるからにほかならない。
ヤエン釣り仕掛け
アオリイカ釣りの中のヤエン釣りにおけるロッドやリール、ラインなどのタックルと仕掛けを項目ごとに説明します。
アオリイカのヤエン釣りに適したロッド(竿)
まず竿についてだが、磯竿1.5~2号クラスが主に使われている。
道糸に角度をつけてヤエンを送り込むため、竿は長いほど都合が良いが、扱いやすさとの妥協点から最初は5.3メートルクラスがおすすめだ。
取り込みにおいても、ジェット噴射を吸収できる長竿が有利となる。
ちなみにイカダやカセ、足場の高い堤防なら4.5メートルクラスでも十分釣りは成立する。
アオリイカのヤエン釣りに適したリール
リールは中型のスピニングリールで、ドラグがスムースに作動するものを選ぶ。
比較的安価で各メーカーよりヤエン専用のリアドラグが付いているものも使いやすい。
アオリイカのヤエン釣りに適したライン(糸)
道糸はフロロカーボン1.5~2号、もしくはナイロン3~4号を基本的に使用するが、PEライン+リダーを使用する人もいる。
フロロカーボンラインの利点は、その比重の大きさから水中に馴染みやすく、アジを深く潜らせたい場合に有利である。
さらにフロロカーボンは水中では見えにくく、吸収率が低いためヤエンの滑りもよいとされている。
一方のナイロンラインはそのしなやかさから太号柄でも扱いよいため、大型狙いの太糸用に用いられる。
クセがつきにくくトラブルが少ないため、夜釣りには最適である。
道糸のカラーリングに関しては、引き寄せたアオリイカとの距離を計ったり、ヒットポイントの目安を知るには何色かに染め分けた道糸が適しているが、最近は日中の釣りもポピュラーになり、アオリイカに気づかれにくいよう透明のものが好まれるようになってきた。
道糸の先端にハリをつけ、アジのゼイゴに掛ける。何度も投げなおすとアジ自体も弱るが、ゼイゴも剥がれてくるのでキャスティングする時には要チェックだ。
アオリイカのヤエン釣りに適したヤエンの種類
肝心のヤエンについてだが、市販されているものは完成度が高く、1本1000円前後で売られている。
跳ね上げ式やローラーのついているものは1本2000円前後となる。
このヤエンは人により様々な意見はあるが、一般的にはアオリイカを20メートルくらいまで寄せてから道糸に通すもので、それから竿を立てて道糸に角度をつけて、アオリイカのところまでヤエンを送り込む。
アオリイカのヤエン釣りに適したエサは?
エサは何といっても生きアジがベストだ。
アジの大きさは全長15~18センチメートルくらいが使いやすいが、春の大イカ狙いなら20センチメートル級でも大丈夫だ。
生きアジを取り扱っているエサ店で大きさにもよるが1匹100~150円前後で購入するかサビキ等で現地調達するかだが、いずれにしても釣り場までアジを元気な状態で運ぶ必要があるので、生かしバケツかクラーボックスを改造してエアーポンプをセットすることが必要となる。
アオリイカのヤエン釣りに適した釣り場・ポイント
ヤエン釣りの主な釣り場は、まず代表的なのが磯(沖磯を含む)、堤防である。
これらは足元から水深があるため、藻場があれば高い確率でヤエン釣りの好釣り場となる。
その他には、ゴロタ浜やサーフでも沖のカケ上がりが近く、藻場があればアオリイカの好ポイントとなる。
アオリイカのヤエン釣りにおける生きアジの泳がせ方
ポイントが決まれば生きアジを投入するわけだが、基本的にポイントの近くで自由に泳がせるだけでよい。
アジは必然的にシモリや藻の塊などに寄り添おうとするので、アジのほうからアオリイカを迎えにいってくれるのだ。
沖竿で釣る場合は、ピトン式の竿掛けか三脚式の竿掛けに竿を掛けてアタリを待つ。
生きアジの誘導方法はアジを向かわせたい方向とは逆の方向に軽いテンションを与えてやるとよい。
これが強すぎるとアジを引っ張り、弱らせることになるので、アジの誘導は出来れば最小限に留めるべきである。
アオリイカのヤエン釣りのアタリ~ヤエン投入時期は?
沖竿でアタリを待つ場合、リールのドラグはフリーにしておく。
この場合はスプールがガタつくほどではなく、アオリイカに引っ張られてスムーズに道糸が出ていくくらいである。
元気なアジが泳いでいるだけでも、竿先はグングンとおじぎをするが、アオリイカが抱きついて走りだすと一気に道糸が引き出される。
これがいうなればアタリということになる。
アオリイカがアジに抱きついて走りだせば、走るだけはしらせてあげる。
これは自分の獲物を横取りされないための行動で、ある程度走ってから、アオリイカはおもむろにアジの頭の後ろからかじり始める。
頭の後ろをかじりだし、頭を落としてから縦抱きにして尾に向かって食べ進む。
このようにして食べ進んでいくうちに、アオリイカの警戒心は解かれ、頭の中は食べることでいっぱいになる。
すると、道糸を巻き取り、寄せにかかっても、アオリイカはアジを放すことなくこちらについてきてくれるのだ。
こうしてアオリイカの警戒心が完全になくなるのを待って、ドラグを増し締めし、リーリングを開始するわけだが、アオリイカの走りが止まって、アジを食べ始めてから寄せにかかるまで「5分は待て」と言われている。
寄せにかかる時の注意点としては、一定のスピードでリールを巻き続けることである。
それでもアオリイカが途中でアジを放すようなことがあれば、その場で再びアジを沈めてやる。
アオリイカの食欲が警戒心より勝れば、再びアジに抱きついてくることも多い。
ヤエンを入れるタイミングは、水面と道糸の角度が45度くらいになる時がよい。
ヤエンがアジの所まで到達すると、グーングーンと手応えがあったり、重みの増幅があると言われているが、実際には明確には分かりづらいものだ。
ヤエンがハネ上がってハリ掛かりした時に、向こう合わせ的にグーンと重みが乗って、はじめてハリ掛かりしていることが分かることも多い。
あとは強烈なジェット噴射を楽しみつつも、慎重にヤリトリすればよい。
アオリイカのヤエン釣りにおけるアオリイカの取り込み方法
足元まで寄せることができれば、最終的な取り込みは、玉網かイカ用ギャフを使用する。
ギャフの場合は胴を狙って下から掛け上げるようにし、玉網の場合も胴の先端からすくうようにする。
足からすくおうとすると、最後の力を振り絞った逆噴射で逃げられることが往々にしてあるからだ。
せっかく寄せたアオリイカ。慎重にフィニッシュしたいものだ。
ヤエン釣り仕掛けは?釣り場のポイント&アジの泳がせ方とあわせ方!まとめ
アタリがあってから取り込むまでの間、常にハラハラドキドキのしっぱなし。こんな釣りはヤエン釣りくらいなものでしょう。
もし、禁断の扉が開くようなことがあったなら、誰もが、その瞬間からヤエン釣りの虜になるでしょう。
個人的な見解ですが、ヤエンはローラー付きの跳ね上げ式がバラしにくい気がします。
私たちが楽しく釣りを出来るのは、漁業関係者や地元の関係者がたゆまぬ努力で綺麗な海を維持管理してくれているからです。
感謝の気持ちを持って、釣り人も綺麗な海でいつまでも釣りが楽しめるようルールとマナーは守っていきましょう。
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